私たちの里は、東に中央アルプス、南に恵那山、北西に御嶽山、日本三名泉にも指定されている下呂温泉に接した自然豊かな里です。
そんな小さな里ですが、中津川の中心地には中山道の宿場町、中津川宿で栄えた街並みもあります。秋には名産の栗きんとん、農産物は「飛騨美濃伝統野菜」に認証された、あじめこしょう、菊ごぼう、西方いも、瀬戸のたけなどの特産がある歴史と自然の里なのです。
この里は、戦時中は貧しくヤギの乳を飲んで生活していた集落もありました。そんな貧しい生活に彩を添えるため、当園主の祖母大橋正子は代々地域に伝わるあじめこしょうを栽培していました。
「あじめコショウ」は岐阜県中津川市福岡地区で、約400年前から栽培される野菜です。この地域ではトウガラシをコショウと呼んでいて、トウガラシの一種です。地域内を流れる付知川に生息するアジメドジョウに外観形状が似ていることから、アジメドジョウに似たコショウ(トウガラシ)として、「あじめコショウ」と呼ばれるようになりました。一般的なトウガラシに比べ3~5倍という辛さがあり、風味の旨いとうがらしです。
祖母は、あじめこしょう一味をそばにかけるたび「あじめこしょうは戦時中の貧しい食事でも一つまみかければ瞬く間に美味しくなる魔法の粉」と嬉しそうに語っていました。今は亡き祖母の種を絶やさぬよう、大橋農園の魔法の粉を守り続けています。
今ではとうもろこし、ブロッコリー、にんにく、さつまいもなどを大橋農園では作っています。亡き祖母が作る野菜に負けない野菜を目指し、日々奮闘しています。